東京都による大学破壊を歴史に刻む
サイトマップ   昨日のトップテン
トップページ  >>  読者の声  >>  「都立の大学を考える都民の会」での人文院生会の発表
「都立の大学を考える都民の会」での人文院生会の発表
都立大博士課程院生
2004.12.7
 

 都立大学の人文科学研究科院生会のX学専攻の連絡幹事をしています。人文院生会は、昨年10月に発足してから、現大学の院生の研究環境の保障を求めて活動してきました。今日は、6月20日の集会以降、どのような活動を行ってきたかをご報告します。

 まず、7月に意見表明文を発表しました。これは、新大学への就任承諾書を提出するかどうかで、人文学部の教員の間で選択がわかれたという事態を受けてのものです。私たち院生は、今後も現大学で研究を続けるのであり、その現大学のために就任/非就任に関わらず、全ての教員が連帯するものと信じていることを表明したものです。もちろん、人文学部の全教員は、東京都による強引な改革の進め方の被害者です。しかし、もっとも深刻な被害を受けているのは、他大学へと転出したり、新大学に就任するという選択肢を持たない私たち院生と学生です。そのような私たちの研究環境の保障のために教員が連帯することを呼びかけるとともに、私たちとしても改めて東京都の改革の手法に反対の意を表明し、入学時に約束されていた研究環境の保障を求めて努力を続けることを表明しました。

 その後、9月に新大学の設置を認可するという答申が出され、いよいよ研究環境の保障を実質的に求めなくてはならない段階に入りました。そこで、10月に人文学部長に要望書を提出し、博士学位論文、予算、研究スペースの三点について要望しました。まず博士論文についてですが、博士号を取得するためには、主査一人と副査二人がいる体制で博士論文の審査が行われなくてはなりません。主査には指導教員がなることが決まっています。そのため、指導教員が学外へと転出すると、主査を失い、学位を取得できないこととなってしまいます。そこで、指導教員が学外に転出した場合でも、主査として審査に加わることができるように要望しました。次に予算に関してですが、現在予算は「学生教育費」と「研究費」の二つから成っています。このうち、「学生教育費」は学生数に比例して配分されているものですが、来年度以降減らされる可能性があるという話があります。さらに「研究費」についていえば、新大学に就任しない教員は申請できなくなる可能性もあるそうです。そのような事態になれば、今までと同じ額の学費を払わされるにも関わらず、研究環境は著しく悪化するうえ、どの教員についているかによって研究環境に差異が生じることにもなります。そこで、「学生教育費」にあたる部分を厚くするよう要望しました。最後に研究スペースについてですが、人文学部棟一階にある旧就職資料室の空きスペースを、人文の院生が共同で使用できる勉強スペースとするよう求めました。

 以上の要望に対し、人文の学部長および評議員は誠意ある対応をしています。中でも、博士論文の審査体制に関してはすでに教授会で議論されており、私たちの要望どおり制度化される見通しが立っています。ただし、予算や空きスペースに関しては大学管理本部の管轄にあるため、現在は管理本部に対しても要望書を提出する準備をしています。私たちが特に心配しているのは、管理本部が新大学の設立準備作業に追われ、現大学の学生・院生の教育・研究環境に関しては全く考えていないようであることです。史学科院生会が管理本部を訪問した際に確認したところ、管理本部で現大学の教育・研究環境に関して担当しているのは「その他」係で、この係はたった三人で構成されているというのです。そこで私たちは、予算や空きスペースについての要望の他に、現大学の学生・院生の質問や要望に責任を持って対応する部署を設けることも求めていきます。

 この間継続して話し合っているのは、私たち在学生の教育研究に関する責任を負っている重要な機関である教授会が大学の法人化後も維持されるのかということについてです。地方独立行政法人「首都大学東京」の定款の案によれば、法人には旧大学ごとに「教育研究に関する重要事項を審議する機関として、教育研究審議会を置く」とあるのですが、この「教育研究審議会」という機関と教授会の位置関係も不明です。そこで9月に、全学部の教授会に対して、私たち在学生の教育・研究についての責任を全うするよう求める要望書を提出しました。またほぼ同じ内容の質問書を総長に提出しました。総長からは誠実な回答を得ましたが、法人化後は教授会の権限が変更される可能性があるとのことで、私たちの不安は消えないままとなっています。そのため、大学管理本部に法人化後の教学体制に関する質問状を提出する準備をしています。

 私たちの活動を学外へと伝えるのはなかなか難しいことから、「院生は、いったい何をやっているんだ」ともどかしくお思いになっているOBや都民の方々もおられることと思います。しかし、研究時間の多くを犠牲にして、なんとか活動を続けておりますし、なにより、現在の大学改革において最も弱い立場にあるのが、院生・学生です。今後とも励ましや応援を頂けたら、幸いです。

都立大の風景
新着情報 サイトマップ 昨日のトップテン お問い合わせ
Copyright © 2004-2018 首大非就任者の会 All Rights Reserved.